〈人生儀礼〉 | |
人は神様から命を授かり人生を全うするまで、その区切り区切りに数々の通過儀礼が設けられています。そのほとんどが神社で執り行われ、これまでの神様への感謝と今後の安寧を祈請するものです。 | |
1.安産祈願 | 妊婦が三、四ヶ月になると親元に帰り、五ヶ月に至って着帯の祝いを行い、もっぱら出産を待つのが一般の風習で、これを帯の祝いといいます。この帯を俗にユワタオビ、またはイワタオビといいます。神社に帯を持参しお祓いを受けるとともにただひたすら神明に祈願し母子の安泰を願う産育儀礼の一つです。この式を行う日を通例戌の日を選ぶのは、犬が安産する習性に因んだものといわれています。 |
2.初宮参り | 懐妊して神社に詣でて、安産の祈願を籠め、その大御恵を戴いて、無事に出産した報賽のために、適当な日を定めて生児を抱き、初めて神社に参詣するのが初宮詣でです。現在では男子三十二日、女子三十三日(その反対の説もある)が通常で、ところによっては百日でお参りするところもあります。 |
3.七五三参り | 児童の成育を祝福する儀式で11月15日神社に参詣し、更なる神のご加護を祈請します。 男女一才−綿着の祝 男女三才−髪置の祝 男児五才−袴着の祝 女児七才−帯解の祝 |
4.成 人 式 | 子供から大人への成年期にあたっては、元服即ち成年式の儀礼が行われ、特にそのけじめを社会的な形式で表すことが重んぜられた。古来多くの元服の儀が神前で執り行われ、あるいは家庭で成人祝いをした後、産土神社に参拝するのがいっぱんてきであった。現在でも産土神社に参拝し神のご加護を感謝するとともに、人格の完成人生の責務を自覚し、社会の発展と人類の福祉に寄与すべき誓いを新たにして社会人として新たなスタートを切るべきである。 |
5.結 婚 式 | 皇室では、大婚の礼をはじめ、皇室御結婚の礼はすべて賢所の大前で行われます。神前結婚式は大体これに倣ったものです。 婚儀は伊邪那岐(いざなぎ)伊邪那美(いざなみ)二尊が神慮を仰がれたように「神がめあわせ給う」という信念のもとに執り行われます。 この儀を経て始めて夫婦となり、社会もこれを承認します。 |
6.厄 除 祭 | 人生の転換期に相当する年齢は家庭的にも大切な時期で、社会的にも重要な役割を果たす年柄であ り、日常の生活を一段の慎みを深くし、災厄を除くべき配慮を怠ってはなりません。神威を仰いで禍津毘を除き、清く直く明るく正しく生き抜く信念を強固にする様努めたいものです。 男性 二十五才・四十二才・六十一才 女性 十九才・三十三才・三十七才 |
7.年 賀 祭 | 古い時代から人の寿令を加えてゆく年の区切り区切りを慶び祝う風習がある。この祝いを年賀とも算賀ともいいます。算賀祭は、年賀の祝宴を催すに先立ち、神祇に対して行う報告祭で、過ぎし方を顧て、無病息災を神に感謝し、さらに今後の長寿安泰を祈願するものです。 六十一才「還暦」・七十七才「喜寿」・八十八才「米寿」・九十九才「白寿」 |